1934(昭和9)年12月26日、読売巨人軍の前身、大日本東京野球倶楽部が創立されました。
1931年から行われていた、アメリカとの野球の交流試合でしたが、当時は大学野球が全盛の時代で、日本にはプロ野球自体が存在しませんでした。
そのため、アメリカのプロ野球と対戦するために結成されたのが大日本東京野球倶楽部でした。
結成時には、19名からなる日本選抜野球チームでしたが、アメリカチームとの対戦時に相手から、チーム名が大仰で呼びにくいとの指摘がありました。

その指摘をした人が、MLBのジャイアンツのチームの関係者だったこともあり、この際『トーキョージャイアンツ』としてはどうかとの提案がありました。
その案を採用し、ジャイアンツを和訳した巨人で、『東京巨人軍』が正式名称として採用されたのです。

その後、東京巨人軍が母体となり、読売巨人軍が結成されました。
結成当時は、六大学野球の方が人気があり、プロ野球は職業野球と蔑視されがちな風潮がありました。

しかし、ノーヒットノーランを３回達成した沢村栄治投手や、初の三冠王中島治康選手などの活躍により、徐々にファンを獲得していくこととなりました。

東京巨人軍は、太平洋戦争でプロ野球リーグ自体が中断するまでの9年間で8回の優勝をはじめ、常勝軍団として、プロ野球界をけん引し続けて現在に至ります。

その栄光の歴史を誇る東京巨人軍ですが、今年(2020年)には未曽有の危機が訪れます。
新型コロナウィルスの流行です。

一時は、プロ野球の開催自体も懸念されましたが、無観客や入場制限などの工夫を行ったうえでリーグ戦を維持。
見事にセリーグ優勝を勝ち取ったのです。

観客が入れない状況での試合は、例年にない様々なアイデアを実現する場でもありました。
その一つが、無観客で行われる東京ドームの公式戦のバックネット裏でファンが声援を送っているかのような映像を制作する「バーチャルバックネット裏シート」です。

その一つとして、7月3日（金）に行われた巨人×中日の試合に先発投手として登板した菅野投手の応援としてサポーターの犬が登場！？
実は、菅野投手が支援している日本介助犬協会の介助犬がバーチャルバックネットに登場したのです。
試合中の様子犬たちの応援を受けてか、当日菅野投手が見事投完封試合を演じました。

菅野投手は2015年以来、毎シーズン1勝をあげる毎に10万円の寄付を送る「菅野基金」を立ち上げる他、東京ドームに介助犬ブースを設ける等、日頃から精力的に介助犬育成を支援しているそうです。

ちなみに介助犬とは、手足が不自由な方の手助けをする犬のこと。
まだ全国にも61頭（2019年10月1日現在）しかおらず、盲導犬などに比べて認知度の低さが課題だそうです。
主に落とした物を拾う、靴や靴下を脱がせる、携帯電話を持ってくるなどを行い、使用者のニーズにあった作業を行うとの事。

菅野智之投手の介助犬支援は、基金そのものの意義に加えて、介助犬の課題である認知度の低さへの支援として介助犬サポート大使として介助犬の認知度向上にも貢献しているようです。
介助犬の認知と活動が深まると良いですね。