ヨーキー椛(もみじ)、ドッグダンスするよ!

顔も体も態度もでかいヨーキーの女の子、椛(もみじ)のドッグダンスやお出かけ、さりげない日常の出来事などの記録です。

ヨーキー椛(もみじ)の物語~58.笑顔なき栄光~

ワンコット横浜で行われた、アニマルファッションアワード一次予選フォトコンテスト。
椛さんは頑張ったのですが、他にも可愛いワンちゃんがいっぱい。
たぶん予選通過は難しいなといった感じです。
結果はメールでお伝えします、となっていましたが・・・。

『結局、予選、何組位参加したんだろうね?』
『さあ、”Y”(犬服のお店)だけでも、我々の他に7組参加したみたいだし。』
『じゃあ、全体では相当多いよね。』
『コロナで辞退した人もいるって話だったけど。』
『でも、会場ではあんまりその話はでなかったね。』


『椛さん、どうだったかな?』
『10組通過だったら難しいでしょう。すごく可愛いワンちゃんたくさんいたし。衣装や小物、飼い主の服装も凝ってたしね。』
『ポーズやパフォーマンスが評価されての一発逆転ってないかしら?』
『一発逆転?』
『カメラマンの人も、”こんなポーズ見たこと無い”って言ってたし。』
『確かに、バウやベッグが完璧に出来るファッションモデル犬はいないね。』
『でしょう。』
『そうだね、すごいと思う。すごいんだけど・・・これって、ファッションモデルに要求されるものかは疑問だよね。』
『・・・・』


そうでした。
バウやベッグ等のポーズをこなせるファッションモデル犬。なかなかいない筈です。
それはそうなんですが。
モデル犬がベッグが出来るのって・・・、正直どうなんだろう。
『時々いるよね。人間のミスコンとかで、特技を見せてと言われて、いきなりステージでバク転とかしちゃう女の子。』
『そうね、時々いるね。』
『あれ、皆、”おーっ”って感心するけど、結局ミスコンの審査に必要なものではないよね。』
『ジャニーズじゃないからね。』
『椛さんのベッグって、ミスコンのバク転なんじゃないかな。評価するけど、結果には影響せずってね。』


それでも、椛さん、何かの間違いでも予選通過してくれないかな、と思いメールを待つ日々。
しかし、待てど暮らせどメールは来ません。


そうこうしているうちにも、新型コロナウィルス感染症をめぐる情勢は予断を許さなくなって行きます。
2020年3月中旬、楽しみにしていた『日光江戸村 春のわんにゃん祭り』がコロナの影響で中止と決定。
椛さん、このために着物をオーダーしたのに・・・残念です。


『あーあ、楽しみが、次々に無くなっちゃうね。』
『そうだね、でも、そんな事言っている場合じゃない状況だけどね。』
『何か良い事ないかな?』
『きっとあるよ。』
『何が?』
『いや、わかんないけど。』


その後も各種イベントが次々と中止になっていきます。
このままでは、アニマルファッションアワード、開催できるのかな?という不安がありました。
アニマルファッションアワードは、アニマルワールドカップという国際イベントの一部門として開催されます。

その会場は、東京都立川市の昭和記念公園。東京都の公園です。
東京都の施設は、コロナ対策のため、休園が検討されているとの事でした。
休園にならなくても、大規模イベントへの貸し出しは中止される模様とも聞きます。
また、開催されたとしても、肝心の海外の選手団の入国・参加は絶望的です。


『アニマルファッションアワード、何とか開催されないかな。椛さんは出場できないだろうけど、せめて見に行きたいな。』
『あの、可愛いいワンちゃんたちがステージに登るなんて、夢みたいだし。せめて、観客として見る事が出来ればなあ。』


そんな感じで、一縷の希望を持っていたのですが。
3月末にアニマルファッションアワードの主催者からのメールが。
”アニマルファッションアワード、延期のお知らせ”でした。
コロナの影響で、アニマルファッションアワードを含むアニマルワールドカップ大会が一年延期で2021年4月中旬開催となるとの事でした。


アニマルファッションアワード延期。本当に残念です。
それに、延期だけで済むのでしょうか。
新型コロナウィルス感染症は、おそらく1年位では収束する気配がありません。
そうなると、延期した上で、結局中止という事態にはならないのでしょうか。
『あー、本当に何もなくなってしまうね。』
落胆するパパとママ。
椛さんも、そんな空気を読んでか、なんか元気がありません。


『でも、きっと良いことあるよ。』
そんな感じで話している時に、もう一通メールが届いていることに気が付きました。
アニマルファッションアワードの事務局からです。
メールを開いてみると、椛さんがアニマルファッションアワードの予選を通過したという内容でした。
あまたの可愛いワンちゃんの中から、見事に選ばれたのです。
これは快挙に違いありません。
快挙ではあるのですが、大会自体がどうなるのかもわからない状況です。
今一つ、心は晴れません。


黙ってPC画面を見ているパパを、椛さんが心配して近寄って来ました。
『予選通過したよ。すごい事だよ。えらいな椛。もし開催されたら、そんな時が来たら・・・、そうしたら、頑張ろうな。』
そんな言葉をかけながらも、これからどうなっていくのだろうという不安が高まる、2020年3月末でした。



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<coming soon>


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