ヨーキー椛(もみじ)、ドッグダンスするよ!

顔も体も態度もでかいヨーキーの女の子、椛(もみじ)のドッグダンスやお出かけ、さりげない日常の出来事などの記録です。

ヨーキー椛(もみじ)の物語~5.eye of the tiger、やっぱり変!~

こうして、我が家にやってきたヨーキーの女の子、椛(もみじ)でしたが、いろいろ元気。
元気というかやんちゃ。
しかし、元気すぎないか?
これ、本当に大丈夫か?

我が家に来た初日、夜通しカタカタ騒いだ挙句、ケージの中では寝床に用意した毛布ではなくトイレの上で寝ていた椛(もみじ)。
その椛の住環境を変えるべく、翌朝、私は島忠のペットショップに行きました。
そうしたら、今使っているアイリスのケージには、トイレユニットが増設できるとのこと。
早速、3900円で購入。


これで、椛の家(ケージ)は、”ワンルーム”から”ワンT”にグレードアップ。ちなみにTはトイレットです。
合計で12800円+水飲み器付の豪邸になるわけです。
(ちなみに”水飲み器”と入力するつもりで変換すると”水野美紀”となってしまうのは、ちょっとドキドキします。関係ない話ですが。)

早速自宅へ。そうしたらマンションのエレベーターが点検中だった。
荷物を抱えて6階まで階段を上ります。
なんて運が悪いんだろう。


家に着いて玄関から入ると気配を察した椛がケージの中で吠えています。
『ただいま、椛!お家買ってきたからね。』
そういいながら、小一時間ですが初めてのお留守番をした椛のケージの扉を開放します。
『おいで』といって広げた腕に向かって一目散に駆け寄るわが子と抱きしめるパパ、という図を想像していました。


確かに椛は、一目散にケージから飛び出してきました。
そしてパパに向かって一直線。
感動の再開と抱擁・・・のはずでした。


しかし、次の瞬間、広げたパパの両腕を華麗なステップでかわし、台所の方に駆けていく椛の姿がありました。
そして即座に、台所から全力で駆け戻って、玄関に続くスペースを走る椛。
我が家は、50㎡程度であるため、荷物を置いている小部屋と玄関以外のドアをすべて外してワンルーム的な使い方をしていました。
その中を縦横無尽に走り回る椛。
そのうち興奮したのか、唸り声全開になってきます。


その姿は、とても犬の姿には見えませんでした。
例えれば、迷い込んだ野良猫や、捕獲した野生動物が必死に逃げ回る姿です。
私は、あっけにとられて見守る事しかできませんでした。
椛を抱っこしようにも、あまりに怖くて手が出せません。


そうこうしているうちに、さすがの椛も疲れて大人しくなりました。
その後、買ってきたパーツを使ってケージを増設している間は、さんざん邪魔はするものの、先ほどのような奇行ともいえるような姿はありません。
時折、豹変する椛の姿をみて、徐々に不安が芽生えてきました。


夕方、仕事から帰った妻は、寝不足で疲れた顔をしていました。
『午後に島忠に寄ってきたんだけど、あの子、島忠で”爆弾”って呼ばれていたらしいよ。今までで一番の問題児だったみたい。』
椛は、あまりのお転婆のため、5カ月過ぎまでお家が決まらずにいたらしい。
そして、その間、それが理由かどうかはわかりませんが、他の店舗へのローテートもなかったとの事でした。


そう考えてみれば、椛の契約が決まった時のスタッフさんのホッとした顔や、土壇場での2万円引きの理由も合点がいく気がします。
この子を飼える家はそうそう無いのではと思われていた様でした。


『私たち、この子と一生暮らしていくって、大丈夫かしら』
さすがの妻も弱気になっていました。


その日の夜も椛はケージの中でカタカタと騒いでいました。
何度もなだめたり、叱ったりしても効果なし。


明け方、ふと私が目が醒ました時のことです。
椛を見ると疲れて眠っている様でした。昼間、せっかくトイレルームを増設してトイレと寝室を別にしたのに、椛はわざわざトイレの上で寝そべっていました。
でも、ようやく寝てくれた、よかった、と思って可愛い椛の寝顔をそっと覗きます。


そこで見たのは・・・暗闇でらんらんと光る二つの目。
犬の目とはとうてい思えない野生の目、虎の目でした。
その野生の目が、こちらをじっと見ています。
私は、いくばくかの恐ろしさを感じ、見なかったことにして眠りにつきました。


翌朝、仕事に行く前に妻に昨夜のことを話しました。
『そう、椛の目は犬の目をしてないね。』と、妻も同様に思っていたようです。
『やっぱりこの子、絶対に変だ。どこかおかしいよ。早く何とかしないと。私、夏の間は多少暇になるから、椛のことを見てやれると思う。』


妻は、水泳の仕事が7月、8月休みになるために時間に余裕が出来ます。その分を椛の教育に充てようという訳です。


しかし、今までの一連の出来事は、犬好きで飼育経験もある我々をもってしても想定外の事態ばかりです。
本当にこの子と一生やっていけるかどうかの自信が大きく揺らぎ始めていました。



ヨーキー椛の物語の続きはこちら。


最初から読むにはこちら。

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