前回、椛に階段昇降が出来ないかもという疑問が出てきたため、急遽確認となりました。

先ずは、幼稚園＝プレイボウに行って、スタッフに聞いてみました。
『椛って、階段、登れますよね？』
そうしたら、
『他の階段はともかく、プレイボウの階段は登ったのは見たことが無いですね。』
との事でした。

散歩の際も、段差を上ったり、ベンチに飛び乗ったりはしますが、よくよく考えたら、階段を上り下りさせた事はありませんでした。

こうなったら、実地に試すしかない。
そこで引っ越し前に、新居に椛と行って、早速試してみました。

先ずは、椛を階段の一番下の段の前に立たせてみます。
『椛、階段登ってごらん。』
さらに、パパが２－３段登って振り向き、椛を呼んでみます。
『怖くないからね、椛、おいで。』
椛は、何とか段を上がろうと中腰になりますが、勝手が判らないみたいで戸惑っています。
ベンチや段差は飛び乗れても、段差がいくつも続く階段を登る事には全く慣れていません。

『椛、こうするんだよ。』
といって、手取り足取りして一段登らせます。
『椛、今度は自分でもう一段登ってごらん。パパが後ろで守ってあげるから、やってごらん。』
椛、頑張って登ります。
一段、何とか登りました。
もう一段、その時、椛が後ろ足を踏み外しました。
これは予想していたパパが椛を受け止めます。
椛、ビックリした顔をしています。
『大丈夫か、椛！』
椛、こちらを振り返り、再び階段を登ります。めげません。

こうして、何とか階段を登る事は出来る様になりました。
しかし、更なる難関が。
そう、階段を降りる事です。

先ずは、階段の低いところで練習です。
『椛、勇気をだして降りてみよう。大丈夫、落ちそうになったらパパが支えてあげるから。』
椛、しばし迷った後に一歩踏み出します。
はじめての階段降下です。
そして、落ちた！！
見事に落ちて・・・、でもパパが受け止めた。
その後、椛はめげずに階段を降りようとしますが、何回やっても落ちます。
一度も普通に降りられません。

これで、椛は階段は無理だと判明しました。
少なくとも、今は無理です。
『椛、ぜんぜん大丈夫だよ。階段を昇り降りしたいときは、パパに声かけてくれれば良いからね。”ワンワン”って言ってくれたら、いつでもパパが抱っこして階段を昇り降りしてあげるからね。』
といって、その日は終わりとしました。

その後、新居に行く用事の時に椛を連れて行きました。
家具の搬入や、収納の中の棚をオーダーするために寸法を測ったりする用事です。
階段昇降については諦めていたので試しませんでした。
ところが、
階段の方からバタンという音が聞こえてきました。

何事かと思って見てみると、椛が階段に挑戦していました。
一段二段登って、振り向いて降りる。
これに挑戦しています。
登って、振り向いて、降りようとして・・・落ちる！
そしてまた登って。
降りようとして、また落ちる！
でもまた登って・・・。

失敗しても、失敗してもなぜか続ける椛。
パパは猛烈に感動しました。
パパの頭の中には、映画ロッキーのシーンが浮かんできて、椛の姿に重なります。
敵うはずのないチャンピオン・アポロとの闘いです。
絶対にあきらめないで戦い続けるロッキーの姿。その姿が椛に重なります。
”打たれても打たれても、それでもロッキー、前に出ます。”
あきらめないロッキー。
椛も諦めていません。
『椛、がんばれ、お前なら出来る！』

そして、ついに椛が階段を登って、そして降りました。
落ちずに降りたのです。
なんか得意げな椛。

『やったよ、椛、えらいぞ！』
パパ、感動の嵐。
パパの頭の中では、ロッキーのエンディングが流れています。
戦い終わって、群衆の中、お互いに駆け寄るロッキーとエイドリアン。そして熱い抱擁。

『椛、おいで。』
両手を広げて椛に駆け寄るパパ。
『椛』
『パパ』(パパの頭の中での椛の声)
『椛』
そして、熱い抱擁・・・。
のはずでしたが、
パパの広げた両手をかいくぐる椛。
『気安く触るんじゃない、ハーッ！』
とでも言いたげな唸り声をあげて向こうに行ってしまいました。

そうでした。
椛、こんな性格でした。
椛が階段を克服した事は何より嬉しい、だけど。
パパはちょっと悲しい・・・。

その後、椛は階段を疾風のごとく駆け上がったり、落ちるよりも早く降りる様になり・・・。
今では、”椛も最初は階段昇降が出来なかった”と言っても誰も信じないレベルになっています。

現在の椛の階段昇降の様子です。

ヨーキー椛(もみじ)、階段昇降１

ヨーキー椛の物語、続きはこちら。

最初から読むにはこちら。