ヨーキー椛(もみじ)、ドッグダンスするよ!

顔も体も態度もでかいヨーキーの女の子、椛(もみじ)のドッグダンスやお出かけ、さりげない日常の出来事などの記録です。

ヨーキー椛(もみじ)の物語~2.決断『探していたのは・・・』~

前回、トイレの電球が切れて買いに行ったホームセンターでヨーキーの女の子に出会ってしまった話をしました。その続きです。


『一度家に帰って、冷静になって考えよう』
と自宅に帰ってきたわけですが、冷静になるついでに、そもそもどんなワンちゃんを我々夫婦は飼いたいと思っているのかから考えてみました。


我々は、以前チェリーというミニチュアシュナウザーの女の子を飼っていました。
生まれた時からずっと妻と一緒にいたワンちゃんです。
チェリーの母親は、保護犬(迷子犬)を妻が引き取り愛情を注いだ犬、ベティでした。
ベティは、自宅で3頭の可愛いい女の子出産をしましたが、チェリーはその中の1頭でした。


チェリーは、先天性心疾患や横隔膜の異常、食道などの消化器系の異常、てんかん発作など多くの疾患をかかえており、環境が変わるととても生きてはいけないような病弱な子でした。
そのため、妻は、元気な他の子を里に出し、手許にチェリーを置いて、愛情をこめて育てていたのです。


チェリーは、本当に可愛い子でした。
病弱なために体が大きくならず、ミニチュアシュナウザーなのに、成人しても体重が3.5kg程度しかありません。
ミニチュアシュナウザーの体重は6から9㎏とのことでしたので、ほぼ半分。そのため、何歳になっても子犬と間違えられていたほどです。


いつ何が起きるか判らない、綱渡りの様な健康状態ではありましたが、その中でチェリーと我々は精いっぱい喜び、笑い、泣き、本当に充実した日々を送ってきました。
犬というよりは、難病を抱えた人間の娘といった感覚でいたような気がします。
14歳の時には、危篤となり酸素ハウスに長期間入る状態になりましたが、奇跡的に復活。
その後も頑張って16歳4か月、けなげに懸命に生きて、2013年2月にチェリーはお星さまになりました。


チェリーを失って、我々夫婦は心に大きな空白が生まれました。
犬のいない我が家は静かで、灯が消えた様です。
我々夫婦は犬も好きですが、旅も好きです。チェリーがいなくなってから、様々な場所を旅してまわりました。
それはそれで楽しかったのですが、どこか埋められない心の隙間がありました。


その間も再び犬を飼いたいと思うことはありました。
しかし、わが子を失った時の大きな悲しみ、別れのつらさを考えると、再度犬を飼うという事に大きな戸惑いを感じていました。


でも、やはりどうしてももう一度犬と暮らしたい。いつかはお別れする日が来るとしても、一緒に過ごす時間をまた持ちたい。そんな思いが2年経った2015年位には芽生えてきました。


チェリーはミニチュアシュナウザーでした。
一般的に新しい犬を探すとき、人は同じ犬種を選ぶ傾向がありますが、ミニチュアシュナウザーは、その中でもリピート率が最も高い犬種だそうです。


その後、ショップで多くのミニチュアシュナウザーの子犬を見て回りましたが、何となくピンとくるものがありません。
ショップではなかなか運命の子に出会えないため、2016年の夏には、ブリーダーさんにお邪魔して相談しようかと考えていました。
そんな矢先に出会ったヨークシャーテリアの女の子。シュナウザーではないのに、何となく運命を感じた気がしました。不思議です。


『そういえばチェリーちゃんもあれ位の大きさだったよね、毛もグレーだし。』と妻がつぶやきました。
その瞬間、気が付きました。


我々は、ミニチュアシュナウザーを探していたんじゃなかった。シュナウザーを飼いたかったんじゃなかった。
チェリーにもう一度会いたい・・・チェリーの面影を探していたんだ。


そう思ったら涙があふれてきました。
そして、あのヨーキーの女の子が運命のワンちゃんに思えてきたのです。


『あの子、迎えに行こうか。』
『そうしようか。』
その日の夕方、我々は再度ショップへと向かったのです。


在りし日の最愛の娘、チェリー。
お母さんのベティと虹の橋で待っていてね。いつか必ずまた会おうね。



ヨーキー椛の物語の続きはこちら。
ヨーキー椛(もみじ)の物語~3.命名・椛(もみじ)~ - ヨーキー椛(もみじ)、ドッグダンスするよ!

初めから読むにはこちら。
ヨーキー椛(もみじ)の物語~1.出会い『電球が切れただけなのに』~ - ヨーキー椛(もみじ)、ドッグダンスするよ!

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